毎年、スイスのRemei本社で、bioRe プロジェクトを推進している代表者が世界中から集まって、情報を交換し親睦を深めています。      今年は60人が集まり、パノコトレーディングの御法さんが日本代表で参加しました。

bioReタンザニアのニランジャさんの発表風景

 

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インドのbioReプロジェクトの責任者のヴィベックさんから最近の状況を伺いました。

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インドは、世界のオーガニックコットンの生産量の74%を担っています。ところがインドのコットンの種の90%以上が、GMO遺伝子組み換えの種に  なってしまいました。このためオーガニックコットンの発展にブレーキが掛かっています。 政府もこれを重く見て、GMOの種を価格政策で抑え、在来の非GMOの種を復帰させようとしています。ところが種を扱う業者たちは、儲けに走りがちで、一向に真剣に取り組んでくれません。そして残念ながらオーガニックコットンの取扱量がまだ、それ程 多い訳ではないので、非GMOの種の生産を歓んでやってくれるところが少ないのです。

そこで2010年から自分たちで種を作るという研究を始めました。

この種づくりのプロジェクトには、FiBL(the Research Institute of Organic Agriculture,スイス)とインドのDharwad大学の農芸化学のパティル博士が協力してくれています。

このプロジェクトの目的は2つあり、一つは高品質な繊維が採れる非GMOの品種を開発することで、もう一つは、オーガニックコットン生産の農業者たちに確実に種を供給する仕組みづくりです。

<ハイブリッド高品質コットン>

非GMO高品質新種の開発プロジェクトは、3年目の第二段階に入っています。毎年70の品種を掛け合わせハイブリッド種を作り、苗を育て、栽培を繰り返してきて、ついに有望な6品種を特定できて、その品種のテスト栽培を実施中です。

2017年から2020年の第三段階では、必要な量の種をいつでも供給できるよう体制を作ります。そして安定品種のデシ綿で繊維長の比較的長い(中位)品種を完成させます。

*ハイブリッドはF-1とも云い、品質的に欲しい形質を現す品種を作りますが、一世代のみ発現するので毎年種を仕入れる必要があります。収穫した綿花の種を翌年 植える在来種とは異なります。品種、収量の安定した収穫の為にはF-1は大変有利です。農家にとっては、毎年種を買わなくてはならないので負担になり、この点を bioReプロジェクトが負担軽減しています。

bioReタンザニアの品種改良>

6月から農家は収穫した綿を売り始めます。今年は栽培がうまくいってイールド  (面積当たりの生産量・生産効率)が目立って高く、農家は喜んでいます。

従来UK91タイプ種を使ってきましたが、三年前にUKM08という新種が紹介されました。品質も良く2倍のイールドも期待できるとあって期待されました。

2013/14のシーズンから新種が投入されました。その後翌シーズンも投入されいよいよこのUKM08タイプの優秀性を確認できました。今シーズンは、更に1,100の農家にこの種が供給されました。農民のやる気も盛り上がって、気候も順調できっといい結果になると期待されています。

*農業者たちは、種を撒いて半年後に収穫するわけで、年に一回のチャンスしかありません。種の選定は、死活問題なのです。

少しでも高く売れる良質さと収穫効率の高い種にいつでも関心がある訳です。

以上の他、bioRe基金から農業者の生活向上の支援状況が報告されました。

<インド>

・100か所のトイレの提供:特に女性の安全のためにトイレの設備の充実は

重要な課題である。

・学校運営の状況報告

<タンザニア>

・ 安全な飲み水の確保のために、農家の主婦や子供達は長時間をかけて 苦労していて、毎年行われている「井戸の寄付活動」は非常に助かってい る。

平成28年6月16日             日本オーガニックコットン流通機構

宮嵜道男