NOCが発足した当初から一貫していることは、認証や認定のコストを高くしてはいけないという事です。

認証・認定のコストが嵩んで売価が上がるようなことになっては、買い物されるお客様に不利益になり、絶対に避けなければなりません。
では、どうしたら、コストを掛けずに間違いのない認定製品を供給できるのか?

本来、嘘のない正しい製品を供給するのは、販売者として当たり前のことです。

安いオーガニックコットンの偽装品が大量に出回ると価格が高めの正規品は売り場の隅に追いやられ、やがてお客様はオーガニックそのものを信用しなくなり、たちどころにオーガニック市場は消えてなくなります。

このような危機感からNOC認定の仕組みが考えられ、始まりました。

但し、消費者が認証、認定について関心があるかというアンケートの結果を見ると8%程度ということで、関心は薄いと云えますが、ひとたび偽装品問題が起こりマスコミが大きく取り上げ話題になると、認証や認定への関心は一挙に高まり、その検査方式や生産者の取り組む実態が厳しく問われるようになるでしょう。

その時にしっかりと応えられる態勢を常日頃から維持してゆかなければなりません。

認証・認定のコストは、「疑惑」から発すると真贋を篩う網目は細かくなり、手間と時間が掛かります。これに伴ってコストは大きなものになります。

一方「信頼」から発する場合は、最小限の検査で済ませますからコストは少なくて済みます。

NOCは後者の「生産者を信頼する」ことから始めます。
では、「疑惑」から始めた場合と「信頼」から始めた場合と、真贋にどれだけの差が出るでしょう。

真贋を篩う網目はどれだけ細かくしても、悪意を持って偽装を行う生産者の前では無力です。
四六時中監視する事はできないからです。

それならば、実際に生産に携わる人々を篩いにかけて信頼できる人物で固める方が、近道だという事が判ります。

NOCの検査は、最小限に止めますが、書類審査だけではなく、あくまでも「実物」で検査し、検査する側とされる側の緊張感を維持します。

「ダウト」というトランプの遊びを思い出して下さい。

予め配られた手札の中から指定された数字のカードを順に場に出してゆき、手札がなくなった人が上がりです。

手札が少なくなると指定どうりの数字を持つ可能性はなくなり、誰かが「ダウト!」と宣言して、それが偽装のカードであるとその場のカードを全部抱えさせられます。
偽装のカードを出す時にドキドキします。このドキドキ感が大切です。
これに対して指定の数字のカードを持っていて出す時は、「何処からでも来い」とばかりに晴れ晴れとしています。

NOCは、この「晴れ晴れ感が大好きな人々」で固めたいと思っています。
NOCのラベルには、発足当初からのキーワード「生産者の良心」が表わされています。
19年掛けて「NOC」イコール「生産者の良心」がすっかり浸透し、定着していることをNOCメンバーは誇っていいと思います。

NOCへの信頼性がどんどん高まって、お客様がNOCのラベルの付いたものを選ぶようになった時、きっと「ニセのNOCラベル」が発見されるでしょう。

その日こそNOCの活動が成就したことが証明された記念日と言えます。

今後も、晴れ晴れとしたNOC製品が市場に拡がるよう努力してゆきます。

NPO法人日本オーガニックコットン流通機構
宮﨑道男