遺伝子組み換えの技術(GMO:以下GMOと表記)への見方は賛否両論ある中、GMO既に世界の栽培は、どんどん進んでいます。

 

 

 

 

2013年に発表された(*ISAAA/FAOSTAT:以下参照)数字では、GMO農産物の作付面積は世界全体の内、大豆については79%、とうもろこし32%、菜種24%綿はなんと70%という驚くべき高い普及率を示しています。

*ISAAA: International Service for the Acquisition of Agri-biotech Applications

世界の作物バイオに関する情報サービス機関

*FAOSTAT: 国連食糧農業機関統計

今後、この勢いは更に増して行くものと見られています。

オーガニック農法推進の立場では、一貫してGMOには反対しています。

有機農産物のガイドラインを作ってきたIFOAMの規定でもはっきりと禁じています。そもそも「オーガニック」の基本的な考え方は、「自然の摂理を尊重することにあり、人工的な手立ては極力使わないというところにあります」

遺伝子組み換えとは、この「自然の摂理」の上では、決して起きえない現象を人工的に起す技術です。

農林水産省は、遺伝子組み換え農産物については、推進する立場をとっていて、その安全性、正当性を主張しています。立派な印刷物を沢山出して、国民の合意を求めています。「遺伝子組み換え農産物入門プログラム」という冊子を開けると次のような見出し文が出てきます。

「私たちの生活に、現在もこれからも品種改良は欠かせません」とあります。そして「豊富な農産物は、品種改良による努力と知恵の賜物」と結んでいます。遺伝子組み換えを最新の品種改良技術と捉えています。

オーガニックの立場では、品種改良と遺伝子組み換えは全く異なるものと考えています。品種改良は、植物どうしを掛け合わせ、自然界で起こりえる現象の範囲で行います。

これに対して、綿花の場合、土壌細菌の遺伝子の一部を植物の遺伝子に取り込み、独特な性能を持たせようとするものです。例えばBTコットンという遺伝子組み換えのコットンがあります。このコットンはワタキバ蛾の幼虫などの害虫防除を目的に作られたコットンです。

バクテリアBacillus Thuringiensisの頭文字のBTから名づけられました。このバクテリアは元々土壌の中にいる細菌で、虫を殺す毒素成分を出す作用のある遺伝子を持つことが知られていました。

この遺伝子を切り取り、コットンの遺伝子に貼り込んで、作用を発現するような品種を作りました。このコットンを食べた虫は、消化管内に致命的な影響を受けて死んでしまいます。

昆虫以外には毒性がないといわれていますが、この品種が拡散してゆく可能性や毒性が変質してゆく可能性など未知なことが多く、将来、取り返しのつかない危うさを抱えています。

生物多様性の尊重の立場からも、とても容認できる技術とは考えられません。

今年の初めに、ロシアのプーチン大統領が、GMO農産物ではない食料品を世界に輸出する目標を持っていることを発表しました。ロシア連邦安全保障会議の報告書によると、既にGMOを含む食品の生産の停止が決定されています。はっきりとオーガニック農業の分野で世界のリーダー的存在になることを宣言しています。

プーチン大統領のメッセージです。

「人類としての私たちには選択肢があります。私たちの判断で、身体と頭脳を適正に発達させてゆくことも出来るし、現在、西側諸国が行っているGMO食品や医薬品やワクチンやファーストフードなど、ほとんど毒性のあるものを身体に入れて心身ともに弱ってゆくこともできます。私たちは、そのようなものと闘う必要があります」

大統領は、西側の巨大多国籍企業群が進めている極端な商業主義「すべて利益のために人々を食い物にしている」と痛烈に批判しています。

平成28年2月25日        日本オーガニックコットン流通機構    宮嵜道男