熊本の人気キャラクターの経済効果は
1000億円と計算されています。
くまモンは2011年に九州新幹線が
開通したのをきっかけに、
「くまもとから元気を」キャンペーンを
官民挙げて取り組んで成功した好例です。

この成功は、たまたまの幸運ではありません。

実はしっかりとした下地があったのです。
この時期、熊本市には、日本で最初の
「フェアトレードタウン」の国際認定が授与されていたのです。

フェアトレードタウン

2000年にイギリスの北の街ガースタンで市民グループが、フェアトレードの普及のためには
街ごとフェアトレードにして盛り上げないといけないと考え活動をはじめました。
そして、2001年には、フェアトレード認定のオックスファムが協力して、フェアトレードタウン
ガースタン市第一号が誕生しました。

現在はイギリス フェアトレード財団、カナダ トランスファ・カナダが認定業務をしています。
24か国1400余りの街が、認定されています。
ロンドン、パリ、ローマの大都市だけでなく、ブラジル、ガーナなどにもフェアトレードタウンがあります。
2006年には、認定された町や地域の人々が集まるフェアトレード国際会議を開催できるようになりました。

2011年に熊本市が日本はもとよりアジアで、初めてのフェアトレードの地域として認定されました。
2003年から明石祥子氏の努力で、年間50回以上の広報イベントを展開し行政、企業
関連団体を巻き込んで実現させました。
そして、とうとう今年2014年3月29日に熊本で第8回国際会議を開催するに至りました。
熊本に続けとばかりに、現在、2号、3号の認定に向けて、名古屋、札幌、逗子、宇都宮、一宮の街の皆さんは奮闘中です。

認定されるためには
1.地元の議会がフェアトレードを支持し、自治体内でフェアトレード製品を使うことに
合意する決議がされていること。
2.地域の商店や飲食店等で、フェアトレード製品が当たり前に購入できる状態であること
3.地域の職場や学校、大学、宗教団体等々でフェアトレード製品が利用されていること
4.この活動にマスコミ、メディアが協力していること、そして市民レベルで支持が高まっている  こと
5.フェアトレード推進委員会が設置されて活発な活動をしていること
これらの基準は要するに、「街ぐるみで取り組んでいるかどうか」が審査されているのです。

この運動を進めると、住民の意識が高まり、地域の絆が強まります。
住み易い地域づくりや地産地消、環境保全へのまなざし、障害者支援の活動とも連携をとり
フェアトレードの優しい精神が各方面に広がります。

途上国の生産者を苦しめているのは、効率一辺倒、利益優先のグローバル新自由主義が原因で
地域に根差した商店街が、大型商業施設の安売り攻勢の波にのまれてシャッター通り化して
しまったのと同じ原理です。
一時の利便性を追いかけるのではなく、100年、200年先を読んだ持続可能の街づくり
をすることが、地域の住民の幸福度を向上させることであり、地域性を前に出すことで特色が出て、
観光客にアピールして新たな需要に繋がります。

フェアトレードという世界の貧困や差別など理不尽な事実を知って、人間らしい優しい気持ちが
定着すると当然ながら、住み易い魅力的な街が実現される訳です。

熊本のクマモンというキャラクターが大人気になったのも、実はこのような優しさの発散を
日本中の人々が自然に受け取ったからなのだと思います。
次は熊本が、全国に先駆けて「オーガニックタウン」になるかも知れません。

平成26年6月19日               日本オーガニックコットン流通機構  宮嵜道男