「益虫」と言えば、てんとう虫(天道虫)クモ(蜘蛛)トンボ(蜻蛉)が思い浮かびます。
害虫をせっせと食べて作物を守ってくれる頼もしいヤツラです。

コットンにアブラムシやハダニ、カイガラムシ、カメムシが取り付いてコットンの生育を阻害します。
これを防ぐために、有機農法では殺虫剤の代わりに「天敵昆虫」を使います。

エコロジーというと必ず登場する有名な昆虫といえば天道虫です。葉に付くアブラムシを食べてくれます。クモも益虫で、害虫をせっせと食べてくれます。
それからもう一つがクサカゲロウです。
クサカゲロウは、アメリカの農業者たちは、Green Lacewingと呼びます。
幼虫のころから旺盛な食欲を示し、ハダニ、カイガラムシ、アブラムシ、カメムシを食べてくれます。

クサカゲロウは、形はとんぼの一種に見えますが、生態も異なり全く別の昆虫です。
カゲロウ、クサカゲロウ、クサバカゲロウ、トンボは、紛らわしさがありますので、改めて並べて比べてみましょう。

細長い体と大きな複眼の眼があって、レースのような透明の羽根を持った昆虫を子供の頃から、スイトンボとかイトトンボとかひとまとめで「トンボ」と呼んでいました。これは間違いでした。

よく調べてみるとそれぞれ「氏も育ち」も全く異なっていました。
・ カゲロウは、清流に生き、羽化してからは、交尾、産卵をして、何も食べることなく短い一生を終える儚(はかない)昆虫で、まさに陽炎(かげろう)のようです。
水面を交尾のためひらひら飛んで魚に食べられることもあります。
フライフィッシングはこのカゲロウを模した疑似餌です。

・ ウスバカゲロウは、幼虫の頃は蟻地獄で、成虫になって羽化しても、小さい昆虫を食べますが、益虫と呼ばれないところを見ると食欲は少ないと思われます。

・   クサカゲロウは、幼虫の頃から鋭い牙で獲物を捕らえます。やがて草に繭を作り蛹(さなぎ)として成長し羽化します。アブラムシなどを旺盛な食欲で食べます。

・ トンボは、水の中で孵化してから ヤゴ(幼虫)になったあと羽化します。
優れた飛行能力をもち、飛んでいる蚊や蝿、蛾蝶まで果敢に捕らえて食べます。

自然をとても愛でていらした昭和天皇はある時、「雑草という草はないのだよ」と仰せられたそうです。ひとつひとつ名前があってそれぞれの生を一生懸命に生きているということだと思います。ひとまとめで“トンボ”と呼んでいたのが恥ずかしくなりました。

日本オーガニックコットン流通機構
宮 嵜 道 男