最近「ブラック企業」という表現をメディアでよく見かけるようになりました。

長時間労働を強要し、無給で残業をさせるなど、従業員の扱いが悪く、不当な収益を得たり、脱税したりまた詐欺的な商法や公害を出したりなど社会的に有害な企業を指しています。

本来、企業は、世のため、人のためにあるべきものです。日本には、昔から経営哲学として表したいい言葉が残っています。

近江商人の「三方よし」,  渋沢栄一の「右手にそろばん、                          左手に論語、  オムロンの立石一真の「企業は社会の                       公器」、   松下幸之助の「会社の目的は社会貢献」などが有名です。

戦後、経済復興の勢いがつき1960年台から高度経済成長が始まり、1980年台に入るとアメリカから怒涛の如く、アメリカ式経営戦略理論が持ち込まれました。

フリードマン、ハイエクなどに極まり、冷徹、合理性を徹底的に求め、収益一辺倒で、会社は株主のためにあり「利益の出ない企業は社会の害悪」とまで言われ、日本の多くの経営者は、まるで高圧線に触れて痺れ、丸呑みで受け入れてしまいました。

かび臭い日本的経営は悉く押しやられ、経理課は財務と同義語になり、戦略的経理などが唱えられ、本業の脇で不動産や金融投機に奔りました。やがてバブル経済は崩壊して冷や水を浴びました。それから20年以上続く、長い停滞期に入ってしまいました。コストカット、買いたたき、リストラの嵐が吹き荒れました。

5年くらい前からドラッカー経営が、脚光を浴びました。「もしドラ・もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの”マネジメント”を読んだら」などという面白い漫画まで出ました。

ドラッカーの本を読んで見ると、何か懐かしい響きの言葉が並んでいます。

なんていうことはない信頼と共感を旨とするかつての日本的経営を論理的に説いたものでした。日本のビジネスの人間関係では、「一期一会のご縁」とか「ご恩」と云った感性が残っています。「世間様が許さない」「世間様に申し訳ない」「会社の恥になる」として行動を律します。仕事に対しては、「生き甲斐」「働き甲斐」「技術の習得」「人間としての成長」「学びの場」「仲間との出会い」「交流の場」などの要素を重視して、単なる報酬を目的とした労働とは考えません。

学生が選ぶ人気の会社は、社会的に好感度が高く、やりがいのある仕事ができそうな会社です。 給料は二の次です。

 ここで浮かび上がるキーワードは「共感、信頼、貢献」です。

2020年に東京オリンピックが56年ぶりに開催されることが決まりましたが、招致のためのプレゼンテーションの底流に流れる精神は、正に日本的な「共感と信頼と貢献」でした。

このキーワードがIOC選考委員の心を掴んで圧倒的な大勝になりました。

「おもてなし」「思いやり」「お蔭さま」などと云う日本的な優しい言葉が、オリンピックを通じて世界のスタンダードになろうとしています。

経済が豊かな社会では物が溢れ、消費者は商品の性能だけでなく、どこの会社が作ったのか、その会社が好きかどうかまで測るようになって来ています。

「その商品は、安くて欲しいけど、ブラック企業だからいや、こんな物を買ったら友達に笑われる」と云うことになります。

自分も納得できて、友達に誇れる商品を提供する「共感・信頼・貢献」のホワイト企業にならなくてはなりません。

NOCラベルの付いたオーガニックコットン製品は正に「輝くホワイト製品」です。

平成25年9月9日                    日本オーガニックコットン流通機構                                                                        宮嵜道男