日本・日本人エシカルな特質Chrysanthemum
その四

日本人のどこからそのような力が出るのか、ということを考えてみますが、それは日本人の労働観にあると考えられます。欧米の人たちは労働に対して、基本的に虐げられてやらされているという感覚があります。だからなるべく短時間で労働から逃れ、余暇に重点をおきます。長い休暇が取れることがステイタスになります。できるだけ働かず、自分の時間を過ごせることを望みます。
これに対して日本人は、働くことに、確かな生きる実感を求めますので、時間を厭いません。
有給休暇を持て余してしまいがちです。四六時中仕事のことを考えるような人が尊敬され、そのような人生は羨望されます。天職などという言葉があるくらいです。
昔からお百姓さんはひと鍬入れるごとに神様に通じるものを感じていたと、なにかの本で読みました。働くことはそのまま神様に通じる喜ばしい神事なのでした。
この価値観は現代の若い日本人にも、深い所で確実に受け継がれています。
かつて日本に来た外国人の日本への感想は、少し気恥ずかしいくらいの賛辞に満ちていました。

1896年にイギリス人・文筆家パトリック・ラフカディオ・ハーンは日本に帰化して小泉八雲を名乗りました。そして数々の名作を残しました。この人は、「日本の女性はなんと優しいことか、この民族が良い方向に
進む可能性は全て彼女に集中している」と友人への手紙の中で書き残しています。

また昭和初期に日本を訪れた、かのアルバート・アインシュタイン博士は「近代日本の発達ほど、世界を驚かしたものはない。この驚異的な発展には、他の国と異なる何かがあるに違いない。それはこの国の
三千年の歴史であった。この長い歴史を通して、一系の天皇をいただいているということが、今日の日本をあらせしめたのである。私はこのような尊い国が、世界に一カ所位なくてはならないと考えていた。なぜならば世界の未来は進むだけ進み、その間、幾度か戦いは繰り返されて、最後には戦いに疲れる時がくる。
その時人類は真の平和を求めて、世界的な盟主を挙げねばならない。この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、凡ゆる国の歴史を抜き越えた、最も古くまた尊い家柄ではなくてはならぬ。
世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る。それはアジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない」 更に加えて言いました。「吾々は神に感謝する、吾々に日本という尊い国を、作っておいてくれたことを」

またフランスの元駐日大使ポール・クローデル氏は第二次世界大戦の末期、昭和18年の暮れ、敗色が
濃くなっていた日本について、パリのある夜会に招かれ、次のようにスピーチしました。
「私がどうしても滅びてほしくない一つの民族があります。それは日本人です。あれほど古い文明をそのままに今に伝えている民族は他にありません。日本の近代における発展、それは大変目覚しいけれども、私にとっては不思議ではありません。日本は太古から文明を積み重ねてきたからこそ、明治になって急に欧米の文化を輸入しても発展したのです。
どの民族もこれだけの急な発展をするだけの資格はありません。しかし、日本にはその資格があるのです。古くから文明を積み上げてきたからこそ資格があるのです」
最後にこうスピーチを結びました。
「彼らは貧しい。しかし、高貴である」
平成27年10月13日        日本オーガニックコットン流通機構
宮嵜道男