昨年の10月にインド・ビオリプロジェクト見学ツアーが行われました。                           参加者は                              石塚隆・(有)マザーズ                       川口圭・(有)カワグチ企画                   鯨井智広・㈱クジライ                      前田富男・㈱前田源商店                   宮嵜道男・日本オーガニックコットン流通機構        以上5名でした。

*ツアーの模様は以下のページでご覧いただけます。http://noc-cotton.org/?p=1456

11月11日(月)新宿の有名インド・レストランで昨年のインドツアーの反省会を行いました。一年間熟成させて、どのような感想が聞けるのか楽しみに出掛けました。

成田空港を発って十数時間後にニューデリー空港に到着するとそこは別世界です。しばらくは、息を呑む光景の連続で目が慣れるまで、黙り込んでバスの窓から外を見つめていた皆さんを思い出します。テレビや映画などで貧困な光景は見てきた筈ですが、現実を目の当たりにすると、どんなに鮮明な映像でも、それは全く別物です。

ニューデリーの街の喧騒から離れ、綿花畑に着いた時は何かほっとした空気に変わりました。同じ貧困でも、深刻度が違いました。                               街ではお金がなければ食べ物を手にすることはできないので、必死に手を出してお金を得ようとする緊迫感があります。                                      一方農村は、畑があり、食べ物の生産に係っているので「食」への不安がなく、ゆったりとした安定感がありました。「食べる」ということの意味を思い知らされました。

皆さんは訪れた農村での、ほのぼのとした雰囲気が気に入ったと話されました。

牛車に乗って作物を運ぶ人の姿、小さい学校でじゃれ合う子供たち、世間話に花を咲かせて笑い合う主婦たちなど日本の農村と変わらない様子に和まされたと云います。

皆さんの記憶は、この一年で、印象の強い順に整理されていて、飲み水の話、トイレに困った話、物乞いの子供たちに付きまとわれた話、むき出しで必死に今日を生きる人々への思い等々、深い洞察が加わり、本当にいい経験をしたという結論になりました。

皆さんの会話も最後には、自分たちの生きているこの社会の姿について語るようになりました。日常生活をしていて、日本が清潔で、安全で、便利な点などそれまでは、取り立てて考えることもありませんでしたが、このように外国へ行ってみて、比べてみると日本の社会の有難さが実感できた、何よりも個人が大切に扱われている点は重要だと云われました。

日本の社会は、ひょっとすると人類が有史以来求めてきた理想郷の域になっているのではないかとまで感じます。                                          外国を旅することは、全く違う環境に身を置いて、自分がどのように感じ、どのように振る舞うかを見るいい機会と云う点でも、やはり有意義な事です。意外な「自分」を発見することもある訳です。

寒い新宿の夜、皆さんは温かい握手を交わして、それぞれのねぐらに散っていきました。

平成25年11月8日                                 NOC 宮嵜道男