オーガニックコットンと一般綿のLCA比較

Sourcing Journal 2014年11月16日の記事より要約

製品の自然環境への影響を評価する手法にLCA:Life Cycle Assessmentがあります。
ライフサイクルアセスメントは、環境影響評価と訳し、生産工程の各段階の環境負荷を調べます。
オーガニックコットンと一般のコットンのそれぞれのLCAを調査して比較するプロジェクトが行われました。
調査を行ったのは、アメリカのNPO法人のTE・テキスタイル・エクスチェンジと環境コンサルタント企業のPE International社で、18か月間掛かりました。結論は、オーガニックコットンのプロセスは予想を超えて素晴らしい結果が出ました。

オーガニックコットンに携わる皆さんを大いに励ます内容でした。

地球温暖化を抑え、土壌の劣化、浸食が少なく、農業用水の使用量も石油エネルギーの使用量も少なく済むことがはっきりしました。オーガニックコットンがどれ程優れているか量的なデータとして示せた点は画期的です。

TEのラリア・ペッパー氏は、12年間のオーガニックコットンの普及活動がこの結果を受けてさらに伸び始める転換点になったと最大限の賛辞を表しました。
まずその結果を見てゆきます。

  •  オーガニックコットンは、一般綿と比べて、地球温暖化の評価は47減らした。
  •  オーガニックコットンは、一般綿と比べて、酸性化(酸性雨)は70少ない。
  •  オーガニックコットンは、一般綿と比べて、土壌の劣化、浸食は26減らした。
  •  オーガニックコットンは、一般綿と比べて、農業用水を91減らした。
  •  オーガニックコットンは、一般綿と比べて、消費エネルギー量を62減らした。

 

以上の差は、オーガニックコットンは、化学肥料や農薬を使わない、トラクターなどの農業機械や、灌漑のポンプも使わないので燃料や電気エネルギーの消費が少ないのは容易に想像がつきます。
土壌の酸性化による劣化も化学肥料や農薬を使わないため土壌中の微生物が豊かで結果として土壌の健康が維持されます。また輪作により植物相互の栄養分配が起こるものと考えられています。

またこの度のLCA調査では、95%がGreen Waterと呼ばれる雨水や土壌中の水分が植物を育てていることが分かりました。
結果として大事なBlue Waterの消費を減らすという人間も含めた生き物にとって大変有利な結果となりました。

参考までに、水の名前について触れます。

Green Water(グリーン水)は、雨水や土壌内の水分。

Blue Water(ブルー水)は、河川水、水道水、地下水、灌漑用水

Gray Water(グレー水)は汚染水を示しています。

前出のペッパーさんは、オーガニックコットン製品が店頭では幾分高額であり、もっと流通の効率を上げてコストダウンして消費者が買いやすいようにしなくてはならないと云いました。
また、一般のコットン製品にオーガニックコットンを少しでも混ぜて、その製品の価値を高めてゆくのもよいこととアドバイスしています。

この点は、NOCの考え方とは異なります。NOCでは、コットンにコットンを混ぜると、全く見分けがつかなくなり、混率を証明するのは不可能という結論から一切の混合を禁じています。

TEの基本的な考え方は、たとえ1%でもオーガニックコットンが使われて、大きな流通商品に育つことが地球規模で考えるとプラスだと考えます。

いずれにしても、今度のLCAの素晴らしい結果を消費者に伝え、オーガニックコットンの意義を理解してもらうことが大切と語られました。

平成28年5月26日                日本オーガニックコットン流通機構

宮嵜道男