化学物質過敏症支援センター(横浜)は、CS(化学物質過敏症)の患者さんへのカウンセリングをしている中で段々とES(電磁波過敏)を訴える相談が増えてきて、本格的な対応を迫られるようになりました。

そこで、専門家を招いて、講演会を開催しました。
5月27日の総会の場と7月27日の2回にわたり電磁波過敏症セミナーが行われました。
7月27日には、新著「生体と電磁波」が紹介され、著者の皆さんによる講演会が催されました。

イスイックス・ワールド㈱ 社長の羽根邦夫氏は、電気の専門化の立場から電磁波の説明と具体的な健康被害の実態を報告しました。

日本臨床環境医学会 理事長の坂部貢氏は、医師の立場から健康問題との関連を指摘しました。
そよ風クリニック院長 宮田幹夫氏も医療の立場から問題点を提起しました。
以上の方々の発言の一部をお知らせします。

羽根邦夫氏
・  日常生活で電磁波から逃れることはできない。
現代人は、職場でも街の施設、交通機関でも家庭内でも電磁波に晒されている。
照明機器、電気製品、通信機器ほか。
・  電磁波とは空間でエネルギーを伝える現象。
・ シューマン波、地球を取り巻く電磁波層があり、電磁波は自然界に本来ある。
・  太陽の光、可視光線、赤外線、紫外線、レントゲンのエックス線も放射能のガンマー線も電磁波。
・ 電磁波は細胞を壊す。
例えば、目に入った光は網膜のたんぱく質を壊して、その信号を視神経で脳に伝えて像として認識する。
・ 熱作用フリーラジカル VHF体 人体に活性酸素を出す。
電子レンジの電磁波を受けると体内に活性酸素が出る。 活性酸素は細胞を壊す。
・  ICRP(国際放射線防護委員会),ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が 電磁波の安全のガイドラインを規定。
100時間の携帯電話使用は脳腫瘍や癌を発症させる。発がん性クラス分類2Bに匹敵。
・  アメリカ海軍の安全基準のほうが日本の一般の安全基準より厳しい。
(日本の規定は緩い)
・  電磁波は免疫系、神経系、代謝系に影響する。

坂部貢氏
・  CSにしてもESにしても社会的な理解が進まないのは、微量過ぎること、個人差が大きいこと、一定の傾向を示すことがないこと等から因果関係を特定することが難しい。
一般的な健康診断をしてみると、概ね正常で、自覚症状で診断しなければならず難しい。
・ ESは、精子形成に影響している。 ねずみの実験で実証、50Hzの電磁波を浴びせると精管内に精子が発生しなかった。(男女とも不妊症の増加の可能性)
・ 電磁波被爆によって、発ガン、小児白血病、アルツハイマー症を発症する。
・ 電磁波被曝によってリンパ系造血組織に影響する。
・ 電磁波被曝によって神経のネットワークを阻害する
・ 電磁波被曝によって胎児組織 未分化組織に影響する。
・ 電磁波の波長(周波数)によって発症の仕方が異なる。
・  神経可塑性に変化が起きる。(変化ができなくなって固定化してしまう)
・   化学キンドリング現象 多彩な情動現象になる。(微弱な電気刺激を繰り返すと反応が増幅され、あるとき症状が重症化する。)

宮田幹夫氏
・  携帯電話は認知能力を落とす。気をつけなければならない。
特に車の運転中や自転車走行中の携帯電話は事故になる可能性がある。
・ 大量に細胞が壊れる器質的障害の可能性。
少量でも機能的な悪化の可能性。sensibility
・ VDT症候群 パソコンのディスプレーを長時間見続けると発症。
・  携帯基地局に近い、遠いで症状が変わる。電波の飛び方で影響が変わる。
遠くても位置、角度によって影響を強く受ける可能性がある。
・ うつ病発症の可能性。
カリフォルニア2、072名を検査したら3.2%の人がESだった。
日本では1%くらいだから、約100万人がESか?
・  生命現象は、水溶液中の電気現象、神経は電気信号。
磁性を帯びた鉄分マグネタイト(磁鉄鉱)が血液、体液中に存在している。
影響が容易に想像できる。
(体内には4000mg、血中ヘモグロビンには2700mgの鉄イオンがある)
中枢神経、末梢神経に影響。(アセチルコリン、ドーパミン等など)
・ 刺激を受けると神経の末端が発達して増加し、過敏になる。
・ 電磁波の診断の検査の難しさは、変化が強いと体調が変わってしまう。
負荷試験をすると患者が一ヶ月くらい体調を壊してしまう。
プラセーボでも症状が出る。予期不安が起こる。
・ CS 7~8割は女性
・ ES 4割くらいが女性
・ ESはCSを悪化させる。
・ 電磁波を浴びると、血流脳関門が無防備になる。脳のセキュリティが利かない。
・ 対応策は、ビタミンC、マグネシウム(にがりはマグネシウム)カルシウムは有効。
ビタミンB12  B群は必要。ビタミンD うつ病にいい。 髄鞘の脱落に効く。抗ヒスタミン剤はES,CSにいい。うつ病とアレルギーは似ている。
・ 携帯電話800mW   1.5ミリシーベルトの放射線被曝と同じ(基地局 96W)
・  小児の頭蓋骨は薄く、電磁波の影響を受けやすいので携帯電話は止めさせた方がいい。
特に10~12歳の少女は、生涯の卵子を持つ時期なので安全を考えて、携帯電話は避けたい。

国際癌研究機関IARCが、携帯電話の電磁波が発ガンのリスクがあると発表し、先進各国の消費者団体が、規制の運動を始めているにもかかわらず、わが国では、感心が薄く、あまりに無邪気に電化製品・機器に張り付いています。

メーカーは、消費者が声を挙げない限り、対策は打ちません。製品コストを押し上げるからです。
改善はコストを掛ければできることを強調したいと思います。

数年前に電気毛布からの電磁波が心配されたことがありました。すると毛布に仕込む電線を電磁波シールドして90%以上の電磁波カットの毛布が売り出されました。
消費者の意識が高くなり問題にすることが、メーカーの改善への舵を切らせるきっかけとなります。
歴史的にも消費者の無関心が薬害問題や公害問題の改善の遅れをもたらしました。

以上は、医学的に詳しくない筆者が、書きとめたメモを羅列したものなので、これ以上の詳細に興味のある方は、著書「生体と電磁波:丸善出版4500円」で確認してください。

電磁波は、軽く見ると怖いということを感じていただきたくレポートにした次第です。

宮嵜道男 (文責)
平成24年8月10日