今年6月にブラジルのリオデジャネイロで行われた地球サミットについて、日本のテレビや新聞・雑誌などマスコミは冷淡で、玄葉外務大臣が参加したことを報じただけでその内容について説明することもなく、批判的に扱っていました。
有効な目標も施策について成果文書に盛り込めなかった、具体的な数値目標がなく実効性が乏しいというというものでした。

果たしてそうでしょうか?

一般の関心はほとんどなく、日常の話題にも上らなかったのではないでしょうか?
しかし、このような国際会議の影響は、長期に亘りじわりじわりと広がるものです。
ものの善悪は、立場や時代が変わると異なるものですが、世界の人々が集い、問題点をはっきりさせ、改善の方向を宣言すると、進むべき道の善悪がはっきりします。
物差し(定規)のように色々な方面に行動の判断基準として使われるので、確実に利いてゆくことでしょう。
マスコミは一様に批判を前に出して、この意義深い会議そのものを矮小化してしまった点は本当に残念でした。

国際会議では、もともとすっきりした結論を出すことは難しいものです。

このたびの会議のテーマが、「持続可能な開発と世界の貧困をなくすグリーン経済」をどう作るかということで、途上国と先進国の利害が対立し、接点が掴めず先送りされた感は確かにあります。
しかし「リオ+20」のロゴには、過去の20年を振り返り、これからの20年をどう改善してゆくかという意味が盛り込まれて、改善のポイントは「貧困と格差」であり、環境破壊も人口爆発も、地域紛争も結局このテーマに集約されているという従来にない本質的なコンセンサスが得られた点は大きい成果と思います。

191の国と地域から政府関係者、企業、労働者、市民、NGO、NPOなど約10万人が集まり、6月3日からスタートして、事前会議を段階を追って行い、20日、21日の本会議があって22日閉会式までひと月近く行う壮大な会議でした。

20年毎に開催され過去のサミットでも、世界の価値観を変え、時代の潮流を作り、改善されてきたという成果を出してきました。
今では当たり前になっている「地球温暖化問題」「生物多様性」「持続可能な発展」は、これらの過去の地球サミットから始まっていたのです。

1972年、ストックホルム国連人間環境会議
1992年、リオデジャネイロ地球サミット・環境と開発のための国連会議
2002年、ヨハネスブルグ地球サミット・持続可能な開発に関する世界首脳会議
2012年の現状は・・・・
・人口70億で2050年には90億になると予想されている。
・14億人(5人に1人)が一日1.25USドル以下で生活している。
・電気を使っていない人口15億人。
・トイレがない人口25億人。
・5秒に一人の子供が餓死。
・年に4万の生物種が絶滅。
・この20年で消失した森林はアルゼンチンの国土を上回る。

次の2032年の会議にはどれだけ改善されているか。
そして最終日6月22日、「われわれが望む未来」と題した53ページに及ぶ宣言を採択して閉幕されました。

NOCは、オーガニックコットンの事業を通して、貧困農村の改善に繋がるよう活動しています。
そのような立場からすると、このたびの「リオ+20」の国際会議で貧困格差の問題とグリーン経済への移行をはっきりと示した点で大いに支持したいと思います。

日本オーガニックコットン流通機構
理事長 宮嵜 道男